硝子体は、眼内のほとんどを占めるゼリー状の組織です。水晶体といわれるレンズより後ろの空間の中にそれはあります。硝子体が様々な状況により網膜を牽引して孔をあけたり(黄斑円孔 網膜裂孔など)、それが進展すれば網膜剥離にもなってしまいます。また、糖尿病や網膜静脈閉塞症などでは硝子体の中に出血したり、ぶどう膜炎などでは硝子体が混濁してしまいます。
硝子体の中の混濁や出血を除去したり、剥がれた網膜を再び眼球の壁にくっつけるのが、硝子体手術です。この手術には、眼球に3箇所もしくは4箇所穴をあけ、そこから細い器具を眼内に挿入し、手術を行ないます。
当院での手術は切開創が小さく、様々な合併症や眼への侵襲が大幅に減少し、また手術時間も大幅に短縮できるようになりました。傷口の大きさだけでなく、様々な硝子体手術で使用する機器や器具も大きな進化を遂げたことも、硝子体手術を日帰りで行なえることを可能にしました。
当院では、ご病状の程度により、27ゲージ小切開硝子体手術システムか25ゲージ小切開硝子体手術システムを選択しております。 50歳以上であったり、50歳以下でも白内障を強く認める場合には、白内障手術も同時に行ないます。50歳を超えていても、白内障が軽度であれば、硝子体手術のみ行なうこともあります。
点眼麻酔という表面に目薬の麻酔をかけます。白内障手術だけであれば、その点眼麻酔だけで手術が可能です。次に、球後麻酔という白目の表面の粘膜(結膜)の一部に小さな穴をあけて、眼球の裏に麻酔薬を注入します。
3ヶ所の穴(創口)には次のような目的があります。
出血などで濁った硝子体をカッターで切除します。硝子体を切除した分量だけ眼内に灌流液が入り置き換わっていきます。疾患により、網膜上に張った膜(黄斑前膜)をセッシでめくったり、増殖膜と呼ばれる厚い膜をカッターやはさみで切り取ったり、網膜にレーザーを照射したりと必要に応じて処置を行います。
網膜剥離では、剥離した網膜を元の場所に張り戻したり、黄斑円孔などでは、網膜の穴を閉じさせる為に、眼内にガスを注入します。ガスを注入した患者さんは、術後数日間うつむき姿勢が必要になります(疾患の程度や疾患の部位によりうつむきしないこともあります)。これ以外に、白内障に罹っている患者さんは白内障手術も同時に行うことがあります。
硝子体手術では、白内障手術より傷口がかなり小さい為、術後の清潔は白内障手術に準じます。
手術当日から可能です。
術直後は通常どうりに洗うことは出来ませんが、シャンプーハットを使用したり、美容院での洗髪など工夫をすれば術翌日から可能です。
術眼周囲以外は、術眼に水が入らなければ洗顔可能です。
お仕事の復帰は、基本的に翌日から可能ですが、数日はお休みして頂く場合もあります。患者様のご病状や眼内の状態(ガスが入っているなど)により変化致しますのでの、よくご相談させてください。当院では、出来る限り早期に社会復帰が出来るよう努力して参ります。
![]() アクセス |
![]() WEB予約 |
![]() TEL |